写真からも銀のリサイクルができる!その方法を解説

ステップ1:写真に関する廃棄物を回収する

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 現在では、フィルムを使ったカメラを使うかたは少なくなりました。しかし写真の現像所や医療機関、マスコミ、印刷会社などでは、引き続き多く使われています。これらのフィルムや廃液からは銀のリサイクルができるため、新たな銀地金などの原料にできます。原料を国内でまかなえるという点でも、銀のリサイクルは重要です。

 リサイクルの第一歩は、専門業者が写真に関する廃棄物を回収するところから始まります。回収する製品は、以下のものが代表的です。

  • ・廃フィルム
  • ・定着液・現像液
  • ・乳剤

 これらの多くは、写真の現像所や医療機関、マスコミなどの法人から回収することとなります。回収業者の多くは写真廃棄物だけでなく、カルテなどの機密書類なども回収して、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を発行します。このため産業廃棄物の許可を得ている業者へ依頼すると、廃棄物の処分を一括して依頼できます。

 廃フィルムなどの廃棄物は買取りとなりますから、排出元の企業にお金が支払われます。但し銀の買取り価格は時価であるため、コンスタントに同じ量を排出しても、受け取れる金額はその都度異なります。

 また同時に機密書類などの回収を依頼する場合は、注意が必要です。量によっては、処分に必要な費用のほうが銀の買取り価格よりも多額となる場合があります。この場合は、逆に処分費用を請求される可能性もあります。

ステップ2:廃棄物から銀を取り出す

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 回収された廃棄物のなかには銀を取り出せるものとして、廃フィルムや定着液、乳剤などが含まれています。一方で廃フィルムには紙やクリアファイル、クリップなど、処理に支障となるものが混ざっている場合があります。

 このため、あらかじめ分別する作業が必要です。廃フィルムや定着液以外のものは、個人情報等を含んでいるものとそれ以外のものに分けられた後、それぞれ適正に処分されます。

 銀の取り出しの工程は、廃フィルムと定着液・現像液で異なります。廃フィルムには患者さんの情報が含まれているため、いったん焼却しなければなりません。その後、灰を溶解炉で溶かし、粗銀として取り出します。

 一方で定着液や現像液の場合は、薬品を入れて銀を沈殿させ、電解銀を取り出します。その後溶解炉で溶かし、粗銀にします。

ステップ3:銀の純度を高め、廃液を処理する

 粗銀は純度が高くないため、工業用や装飾用などの用途で使うには不向きです。従って粗銀を電気分解し、純度を高める必要があります。

 99.99%まで純度を高めた銀は、鉱石から採掘・精錬された銀と同じものとして扱えます。そのため工業用の用途に使ったり、銀の地金や銀製品の原料など、さまざまな用途に使うことができます。

 一方で銀を取り出す過程では、定着液中の銀を取り出した残りとして、上澄み液などの廃液が出ます。廃液は法令に従い正しく処分することで、捨てるだけでなくセメントなどの原料として使えます。日本感材銀工業組合によると、廃液の量は年間で約16万トンとなっています。

 今回は写真から銀をリサイクルできるという点について、解説してきました。この話題は特に現物取引をするかたにとって、興味深いものです。純度の高い銀であれば出元は関係ありませんから、もしかするとお手元にある銀は、写真からできたものかもしれません。このように考えると、銀が含まれたものは貴重ということがご理解いただけると思います。

 回収業者のなかには、個人からの回収も行っている業者もあります。もし未使用のフィルムや現像済みのフィルムを処分するというかたは、ごみとして捨てる前に回収業者について調べることをおすすめします。