銀ペーストについて~IT機器や太陽光パネルなどで使用~

銀ペーストとは

 銀は貴金属の1つですが、最も使われている用途は投資目的やジュエリーなどではなく、工業用です。東京商品取引所によると、2016年の銀の総需要のうち工業用需要は54.7%と、過半数を占めています。従って、銀への投資は景気動向も考慮することが求められます。

 その工業用需要のうち、主な用途の1つが「銀ペースト」と呼ばれる製品です。銀ペーストは銀の微粒子を、バインダーと呼ばれる接合剤で混ぜたものです。銀の微粒子はフィラーと呼ばれ、球状に加えてフレーク状のものも使われます。ちょうどコーンフレークのように、平らな円形のものを想像するとわかりやすいでしょう。

 銀ペーストを使う目的は電気の通り道として、主に電子部品の製造で使われます。電子部品はプリント基板の上にさまざまな精密部品が集積しているため、通常の電線を張り巡らせることができません。その代わりに銀ペーストをプリント基板に塗ることで、電気の通り道を確保しています。

 銀ペーストは、プリント基板に塗った段階では電気を通さない場合があります。その場合でも固まる段階で銀の微粒子どうしが接触し、電気を通すようになります。

 銀は空気に触れるとさびることが欠点であり、銀ペーストもその例外ではありません。さびると電気が通りにくくなるため、メーカーはこのことも考慮した上で製品を製造しています。

銀ペーストの用途について

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 銀ペーストは、電子部品の製造において重要な材料の1つです。電子部品の基板には電気を通す回路が必要であり、ここに銀ペーストが使用されています。電子部品が使われている製品の代表的なものに、パソコンなどのIT機器があげられます。また自動車やディスプレイなど、幅広い機器で使われていることも特徴です。

 太陽光パネルも、銀ペーストの主な用途の1つです。銀ペーストは太陽光パネルで発電した電気を送る上で、重要な役割を果たしています。また近年では、太陽光パネル内でなるべく効率よく電気を送るための技術開発も行われています。

 また銀ペーストは、金属を接合する「はんだ付け」の代替材料としても使われています。はんだと異なり低温での接着が可能なこと、強度に優れること、耐熱性があることがメリットです。

 このように銀ペーストは日常生活だけでなく、社会全体を支える上で重要な製品の原料となっています。社会を支える上で、銀ペーストはなくてはならないものといえるでしょう。

プラチナやコンビ製品の場合

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 ここまで解説した通り、銀ペーストはさまざまな製品に使われます。従って使われる環境も、常温から高温までさまざまです。このため銀ペーストには耐熱温度に応じて、低温用や高温用といった数種類の製品が用意されています。

 100℃から350℃程度までの比較的低温用の銀ペーストは、各種配線の材料やディスプレイ、FPCと呼ばれる薄くて柔らかいプリント基板に使われます。塗った後に低い温度で固まる銀ペーストであるため、薄いプリント基盤でも傷めずに使える点がポイントです。家電に使われている銀ペーストの多くは、こちらの製品と考えてよいでしょう。

 一方で600℃以上の高温に耐えられる銀ペーストは、工業用機械や自動車の部品などに使われます。耐熱性を確保するため、セラミックコーティングが施された製品もあります。また過酷な環境下で使われる場合に備えて、硫化物などにも耐えられる製品も用意されています。

 ここまで解説した通り、銀は銀ペーストという形でさまざまな工業製品に活用されています。このことは同時に、銀の需要は景気の影響を強く受けることを意味します。従って銀に投資する際はチャートなど価格の変動に注目するだけでなく、精密機器や自動車など関連する業界の景気動向も把握することが必要です。