日本が世界に誇る金鉱菱刈鉱山

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1. かつての黄金の国ジパング

 かつてマルコ・ポーロが黄金の国として描いたジパング、すなわち日本は、佐渡や奥州、甲州などで金を産出し、世界でも有数な金産出国でした。その後、日本では多くの金山が閉山していきました。

 宮崎県に近い、鹿児島県の伊佐市は、良質な金鉱山菱刈鉱山を抱えることで知られています。のどかな風景が広がるこの菱刈鉱山は、世界的に見ても良質な鉱山であり、世界的には1トン当たりの鉱山に数グラムの金が含まれているというのがスタンダードですが、菱刈鉱山は、40グラムから50グラム以上含まれているとも言われます。

 かつては、藤原氏の系図に属する菱刈氏が治め、その後島津の領域に属することになっていくこの菱刈の地は、江戸時代半ばには金がとれることが知られていたようです。近代の採掘技術が導入されて、産業として成立してくるのは、昭和になってからです。そして、この金山は、住友金属鉱山株式会社がこの鉱業権を持つことになります。

2. 菱刈鉱山について

 1981年に菱刈の地に、新たに良質な金鉱脈があるということがニュースで報じられると、金鉱に造詣が深かった相場師是川銀蔵氏が目をつけ住友金属鉱山株の買い占め、その後のやり取りで財を成したといった出来事もありました。ある意味それほど優良な鉱山であることを物語っているでしょう。

 菱刈鉱山は、現在では日本の金産出量の大半を占めています。日本を代表する金鉱山であり、大陸的な規模ではないにしても、その良質な金鉱は世界的に誇れる存在でしょう。日本の場合、日本沿岸の海底にも金鉱があると言われていますが、それが採掘できていない状況のもとでは、菱刈鉱山が日本で一番埋蔵量の多い鉱山として位置づけられます。

 かつて金や銀にあふれたインカ文明を有していたペルーなどは、いまだに金産出ランキングでは、日本よりはるかに上にありますし、しかし、日本の金文化は菱刈鉱山のような良質な鉱山をかかえることで、密やかながらも質実剛健に生きているといってもよいのではないでしょうか。

3. 最後に

 日本は、こうした実物の金鉱山は少なくなったものの、違った意味で金鉱を抱えることになっています。いわゆる「都市鉱山」です。時代は変わりましたが、姿を変え、黄金文化が再生しているともいえます。

 日本は、黄金文化の長い歴史を持ち、また工業社会、情報社会の中でまた新たな意味での金の文化を再生しているといえると思います。日本の経済発展だけでなく、こうした背景もあり、日本の金保有や金投資が世界的にも注目される存在であり続けているのはないかと考えます。

 今回は、日本が誇る金鉱菱刈鉱山と題してお話ししました。