金は米FOMC後に一段高

【金は米大統領の一般教書演説も確認】

 1月28日の週のニューヨーク金市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて一段高となった。中心限月の4月限は、昨年6月以来の高値1,331.1ドルを付けた。米FOMC声明で、米経済見通しを巡る不確実性の高まりを挙げ、年内の一段の利上げに忍耐強くある姿勢が示されたことを受けてドル安に振れた。一方、米雇用統計が好調な内容となり、今後、ドル高に振れると、金の圧迫要因になる。ただメキシコ国境の壁建設費用でトランプ米大統領と民主党が対立しており、米政府機関が再び閉鎖される可能性が残っている。5日には米大統領の一般教書演説が予定されており、非常事態宣言の可能性が示されると、金に逃避買いが入る可能性もある。

 1月29~30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利据え置きが決定された。利上げに慎重な見方が示されたことに加え、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小は予想より早い段階に終了される可能性があることが示唆され、ドル安要因である。一方、1月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が30万4,000人増加し、11カ月ぶりの大幅な伸びとなった。事前予想は16万5,000人増だった。35日間に及んだ政府機関の一部閉鎖による雇用への「目に見える」影響は今回の統計に表れなかった。ただ時間当たり賃金は前月比0.1%増と前月の0.4%から伸びが鈍化した。前年同月比でも3.2%増と前月の3.3%から減速した。インフレ圧力がなければ利上げに慎重な見方が続くとみられる。米議会予算局(CBO)は米政府機関の一部閉鎖が同国経済に与える最終的なコストは30億ドルにとどまるとの試算を示しており、今後発表される米経済指標を確認したい。格付け会社ムーディーズは、米政府機関がつなぎ予算が失効する約3週間後に再び閉鎖に追い込まれれば、米経済により深刻な影響が及ぶ恐れがあるとの認識を示した。

 米中の通商協議に関して、ホワイトハウスは声明で、協議は進展したが「取り組まなければならない多くの仕事が依然ある」と説明した。協議継続で合意しており、今後の行方を確認したい。トランプ米大統領は、政権で通商交渉を担うトップの2人を中国に派遣すると表明した。ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が2月半ばに訪中して次回の貿易協議を行う。米大統領は2月後半に予定されている米朝首脳会談後に、貿易戦争終結に向け中国の習近平国家主席と会う可能性があると述べた。また米大統領は、3月1日が中国との通商協議の厳格な期限だと述べ、期限までに合意に達しない場合は中国製品への関税を引き上げるとの見解を明らかにした。

 第4四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.2%増、前年比1.2%増となった。前期比伸び率は、第3四半期と同じで2014年第2四半期以来の低い伸びとなった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、欧州議会で行った証言で、ユーロ圏経済はここ数カ月間、予想より軟調となっており、世界的な不確実性が経済心理の重しとなっているとの認識を表明し、ECBは必要に応じて債券買い入れを再開する可能性もあると述べた。また昨年12月の独小売売上高指数は前月比4.3%低下となり、低下率は11年ぶりの大きさとなった。事前予想は0.6%低下を下回った。ワイトマン独連銀総裁が、ドイツの景気減速は従来予想よりも長く深刻なものになり、ユーロ圏の今年のインフレ率は見通しを下回る公算が大きいとの見方を示しており、ユーロ圏の経済指標とユーロの反応も焦点である。

 2月1日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比7.64トン増の817.40トンとなった。823.87トンまで増加したのち、利食い売りが出た。一方、米政府機関の一部閉鎖が解除されたことを受け、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告の発表が再開された。当面は金曜日に加えて火曜日に発表される。昨年12月24日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは11万0,985枚となり、前週の7万5,960枚から拡大した。

【プラチナはドル安が支援も米中の通商協議の行方を確認】

 ニューヨーク・プラチナ期近4月限は、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル安を受けて堅調となり、1月7日以来の高値835.0ドルを付けた。ただパラジウムに利食い売りが出る場面も見られ、プラチナの上値を抑える要因である。米中の閣僚級通商協議で協議継続で合意したが、貿易戦争が終結しなければ需要が伸び悩む要因となる。

 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は30日のロンドンで8.82トン(前週末8.84トン)に減少、1日のニューヨークで20.47トン(前週末19.74トン)、南アで22.95トン(同22.83トン)に増加した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、昨年12月24日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万1,670枚となり、前週の1万1,387枚から拡大した。

【2月4日からの週の注目ポイント】

4日 中国休場(春節、8日まで)
ユーロ圏生産者物価指数(12月) ☆☆
米製造業新規受注(12月) ☆☆
5日 香港休場(春節、7日まで)
豪準備銀行、政策金利発表 ☆☆☆
ユーロ圏購買担当者総合景況指数(1月確報) ☆☆
米貿易収支(12月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(1月) ☆☆☆
6日 独製造業受注(12月) ☆☆
7日 独鉱工業生産指数(12月) ☆☆
英政策金利公表(BOE) ☆☆☆
8日 国際収支(経常収支)(12月)
独貿易収支(12月)
米卸売在庫(12月)

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ニューヨーク金は昨年6月以来の高値
ニューヨーク金4月限は、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に一段高となり、昨年6月14日以来の高値1,331.1ドルを付けた。米FOMC声明で利上げに慎重な見方が示され、ドル安に振れたことが支援要因となった。高値更新が続き、テクニカル面で強気だが、RSIが買われ過ぎの水準に入っており、利食い売り主導の調整局面も警戒される。米雇用統計で労働市場の堅調が示されており、ドル相場の動向を確認したい。

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2019年2月4日