万年筆のペン先に金が選ばれる理由

万年筆のペン先には金が好まれるわけ

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 万年筆のペン先は、大きく分けて金を使ったものと、ステンレス製品を使ったものに分けられます。このうち金を使った製品は「金ペン」とも呼ばれ、高価な万年筆に使われています。万年筆において金が高い評価を受けていることには、いくつかの理由があります。

 まず金は弾力があるため、万年筆を持つ人の癖を覚えることができます。このため、持つ人に合わせた書きやすさを実現できる点が大きな特長です。

 また金のペン先は、長持ちすることも主な特長としてあげられます。万年筆のインクには酸性やアルカリ性のものが多く、普通の金属では腐食してしまいがちです。しかし金のペン先なら、インクにより劣化する心配がありません。

 このため万年筆のなかには30年や40年と、長く使える製品もあります。また万が一曲がってしまっても金は柔らかいため、修理が可能なこともメリットにあげられます。

 金のペン先を使った万年筆は、いざというときに換金が可能な点も魅力です。金属という観点で見ると、金のペン先は小さい金属にほかなりません。このため実用的な製品でありながら、資産を持つという点でも役立ちます。

 もしブランド物の万年筆であれば1本まるごと売ることで、さらに買取り額がアップすることも期待できます。万年筆によっては、買取り額が数万円となる製品も少なくありません。

ペン先には、主に14金や18金が使われている

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 万年筆のペン先に使われる金は、純金ではありません。主に使われる金属は、以下のような合金です。

  • ・14金(金の含有率が58.5%以上)
  • ・18金(金の含有率が75%以上)

 万年筆の性能を発揮するという観点では、14金の製品でも十分な機能があります。一方で高価な万年筆では、18金以上の製品も多くなっています。

 一方で、万年筆のペン先に純金はあまり使われません。その理由は、金の性質と関係があります。金は柔らかい金属であるため、純金では柔らかすぎてペン先として使いにくいことが多いです。このことがペン先には純金ではなく、合金がよく使われる理由となっています。

金を使った万年筆を選び、使う上でのポイント

 金を使った万年筆を選ぶ際には、刻印を必ず確認してください。もし以下のような刻印がある場合はめっき製品ですから、価値は大幅に下がります。

  • ・GP(めっき)
  • ・GF、GR(金張りめっき)
  • ・GEP、HGE(電気めっき)
  • ・刻印の後ろに「3M」「5M」などと記載されている場合

 その上でK14やK18などの刻印を確かめ、品質を確認してから購入しましょう。

 また万年筆を使う際には、紙に強く押しつけることは禁物です。万年筆のインクは紙がペンのインクを吸い込む、毛細管現象を利用して書くようにできています。このため力を入れなくても書けることが特徴です。

 一方でペン先を強く押しつけると、インクが出にくくなってしまいます。ボールペンではインクが出ない場合に強く書くことは有効ですが、万年筆は仕組みが異なりますから、使い方に注意しましょう。

 万年筆は、日頃の手入れも重要です。インクが出にくいときやインクの種類を変えたいときだけでなく、特に異常がなくても2~3か月に1回は水で洗浄しましょう。手入れの方法は万年筆の種類ごとに異なりますので、メーカーのWebサイトなどを参照してください。

 今回の記事では、万年筆を取り上げました。金への投資といえば現物や投資信託などが主体ですが、万年筆のようにふだん使うものを購入することも1つの方法です。金の買取価格は時価ですから、もし処分する場合は事前に金の価格をチェックした上、なるべく高価で売れるタイミングで買い取りを依頼するとよいでしょう。