南アフリカのプラチナを採掘する資源企業ロンミンについて

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1. 南アフリカのプラチナを採掘する資源企業ロンミンについて

 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(World Platinum Investment Council:WPIC)の会員に登録されているプラチナ採掘を行う会社は6社あります(注1)。

  • ・ アングロ・アメリカン・プラチナム(Anglo American Platinum。プラチナ産出第1位の会社。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
  • ・ Implats(インパラ。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
  • ・ Lonmin(ロンミン。白金系貴金属を採掘。プラチナ採掘最大手の一社。ロンドン証券取引所及びヨハネスバーグ証券取引所に上場)
  • ・ Northam Platinum Limited(ノーザン・プラチナム・リミテッド。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
  • ・ Royal Bafokeng Platinum(ロイヤル・バフォケン・プラチナム。ヨハネスバーグ証券取引所に上場)
  • ・ Sibanye-Stillwater(シバニエ・スティルウォーター。プラチナ産出第3位の会社。ヨハネスバーグ証券取引所に上場。またニューヨーク証券取引所に預託証券の形で上場)

 昨年12月、シバニエが、ロンミンを買収に関して双方の役員会で合意に達したと発表しました(注2)。買収が完了すると南アフリカで第2位の貴金属採掘会社が誕生します。ここ数年、労働者のデモが続き、マリカナという鉱山でのデモで労使が対立し、警官と労働者が衝突し多数の死者が出る事件がありました。まだ、この事件はわだかまりを残しているといえます。こうした中で、シバニエによるロンミンの買収はどう進んでいくのかが気になるところです。

2. 業界再編期にある南アフリカ

 シバニエの最高経営責任者、ニール・ジョン・フロンマン氏は、鉱山の売却や人員削減で収益を上げていくことを表明しています。フロンマン氏は、今後3年で、ロンミンの33,000人の従業員の三分の一以上の12,600人の人員削減も表明し、労働組合は反発しているようです(注3)。フロンマン氏は、「修理人」と呼ばれ(英語では、Mr. Fix Itだそうです)今後の運営が注目されます。

 労使が買収に妥協することができるのか、あるはデモが続き、南アフリカのプラチナ産出に対する影響が続くのか、まだ見極めなければならない状態にあるといえるでしょう。買収が行われるまでには、まだ紆余曲折が予想されます。失業率が30%近い南アフリカではこうした業界再編は労働市場にも大きな影響を与えます。

 いずれにせよ、今後予定されるシバニエによるロンミンの買収は、南アフリカのプラチナ産出とプラチナ価格に影響を与えると考えられ、労働運動を背景として持つラマポーザ大統領の業界への資源施策とともに注目しなければならないと考えます。また、このシバニエによるロンミンの買収は、他の資源企業も行っている業界再編の中でも大きなインパクトを持つ可能性があります。

3. 終わりに

 シバニエによるロンミンの買収は、南アフリカを舞台とした買収劇ではありますが、その動向によっては世界のプラチナ市場に大きな影響を与えてくる可能があります。

 ラマポーザ大統領下の南アフリカにおける経済政策・資源外交、プラチナの業界再編に関しては、情報がきわめて限られるため、南アフリカ情勢全体を見つつ、各論を見て行かなければなりません。

 今回は、南アフリカのプラチナ採掘を行う資源企業ロンミンについてと題してお話しさせていただきました。

(注1)World Platinum Investment Councilホームページ
https://www.platinuminvestment.com/about/members

(注2)シバニエ・スティルウォーターホームページ
https://www.sibanyestillwater.com/investors/transactions/lonmin/overview

(注3)ロイターニュース、Reuters, December 14, 2017
https://www.reuters.com/article/us-lonmin-m-a-sibanye-gold/south-africas-sibanye-stillwater-to-be-no-2-platinum-miner-with-lonmin-buy-idUSKBN1E8165