金需要を牽引する中国の需要は今後どうなるか?

1.経済大国となった中国と金

中国は現在、国別の金需要ではインドを抜きトップを走っています。経済大国となりGDPでは米国に次ぐ地位となり、その豊かさを背景に金需要は増しています。気になるのは、その中国経済の今後の行方ではないでしょうか?

ネットや書店を見渡すと、中国経済の動向に関しては、いろいろな見方が溢れています。今後も成長を続け拡大し続けるという楽観的な見方もあれば、厳しい状態に進みつつあるなど悲観論基調のものなど様々。いったい今後どうなり、世界的な金需要はどう動き、私たちの投資戦略にどう影響を与えるのでしょうか。

ここでは、中国の経済状況と金需要について少し考えてみたいと思います。

2.今後を予想する要素

中国の国家統計局が発表した2017年第3四半期までの国内総生産は、累積で59兆3,288億元(1元17円で計算して1,000兆円超)。もうすぐ第4四半期末を迎えますが、どこまで伸びるかが注目されます。

図1 2015年までのGDP推移

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出所:中国国家統計局データをもとにSBIゴールドが作成
http://data.stats.gov.cn/easyquery.htm?cn=B01

少し前の情報になりますが(2014年4月)、ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council:WGC)は、中国人の伝統的な金選好度の高さなどから良好なGDP予想を示し長期的な成長を予測していました。一方で、中国が、投資・輸出主導から民間消費中心のよりバランスのとれた成長への転換が課題でもあると指摘し、成長の条件に関する見解を示しています(注)。

あくまでも予想であり、不測の事態、政治・経済の動きで、今後はどう展開するか最終的なところはわかりません。
しかし中国が経済成長を背景にそのポジションを高めてきていることは事実です。またそれを背景に、今後も金需要を支えており、今後も中心的な役割を担い続けることが予想されます。経済の拡大により、一人当たりGDPが伸びればなおさらといえるでしょう。

図2 一例:ジュエリーにおける中国、インドの金需要

単位:トン16年第3四半期17年第3四半期上昇下降前年同期比
世界合計 495.3 478.7 -3%
インド 152.7 114.9 -25%
中国 140.6 159.3 13%

出所:World Gold Council Gold Demand Trend Q3 2017, 2017年9月公表資料より

3.金需要を支える柱としての中国、新興の金大国の登場

もし中国やインドの需要が低下を見せたと仮定してみると、たとえば、やはりWGCの報告で取り上げているようにベトナムなどの新興国における需要が開拓されていくことも考えられます。新しい新興国が台頭してくることにより、一時的あるいは徐々であるにしても、中国やその他の金需要が高い国における変動にかかわらず金の需要はその形と場所を変えて現れてくることも予想することは不可能ではないでしょう。

このように見てくると、中国やインドを中心に金の需要は当面支えられ、雁行(がんこう)的にその周辺に経済発展をしつつある新興国が登場し、金需要の調整がなされていくと想像することは可能といえるでしょう。

長期的には金需要は引き続き底堅く、中国をはじめとした海外需要の動向には、地政学的リスク同様注目しておく必要があるでしょう。改めて金、プラチナを含めた分散的な投資とそのポートフォリオの調整が必要になってくると考えられます。

(注)World Gold Council 「中国の金市場:その歩みと展望」 2014年6月、P.2より