モンゴルと金 大国にはさまれた資源国

14237848_l.jpg

1. モンゴルという国

筆者は以前、まだモンゴルが「モンゴル人民共和国」といって共産圏であったころ、旅行を試みたことがありました。中国の北京にあったモンゴル大使館に行き、旅行したいと話したところ、その大使館員は「5人以上のグループを作ってください。その上、行きたい場所をリストアップしたらビザを発行します」と言いました。

安宿に帰ってバックパッカーたちを誘ってみましたが5人は集まらず、結局モンゴル行はあきらめました。せめて近くまでということで、中国の内モンゴル自治区側の国境の町二連(エレンホト)まで行きあこがれのモンゴルを眺めながら短期間滞在しました。

そこは、観光するところはあまりないのですが、恐竜の骨が出るところがあるというところにガイドさんに連れて行ってもらいました。大きな骨は、国家的な資源であるので、掘りつくされ博物館行きになっていたようです。細かな骨がまだ転がっていました。直感的に思ったのは、このあたりは古い地層であり、資源が多いはずだということでした。

2. ロシアと中国にはさまれた隠れた資源国

メディアなどで散見される情報で面白い情報がありました。ハウステンボスが電子通貨を発行し、その信用の裏付けとして金を使い、さらにその金の採掘のため、モンゴルで鉱山開発の権利を取得する、という情報です(注1)。話題の電子通貨を使用するだけでなく、その裏付けでモンゴルの金鉱山を開発するとは大きな構想かと感じます。

モンゴルは、資源大国であるロシアと中国にはさまれています。すでに触れたように、ロシアは、南アフリカについで第2位のプラチナ産出国です。そして、中国は金に関しては南アフリカを抜いて金産出トップの国です。逆にいうと、国境を接するのは、この2か国しかありません。当然のことながら、先ほどの恐竜の化石のところで述べたように、古い地層を有しており、資源の宝庫であることは間違いないでしょう。ウラン鉱石などはすでに有名のようです。

金に関しては、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の「Gold mining map」によれば、金の産出に関しては、32位にランキングされています。まだ、ランキングとしては高い位置にはありませんが、上記のように見てくると、今後先進国からのモンゴルの資源に対する注目度は高くなっていくことが考えられます(注2)。

3. 最後に

チンギス・ハーン以降広大な帝国を広げていったモンゴル帝国は、多くの異なった文化を共存させました。ただ、モンゴルは騎馬民族であり富の蓄積に関しての記録は残っていません。エジプトの王たちが、黄金で飾り付けた棺桶などを残していますが、チンギスハーンの墓自体、見つかっていません。見つかりにくいところに埋葬した上、埋葬後は馬で踏み固めて、わからないようにしたといいます。

これは推測ですが、歴史上のモンゴルの貢献は、安全な駅伝制、交通の安全を確保し、そのおかげで東西文化が交流できたことでしょう。そこでは、物資だけでなく、金などの資産も移動可能であったでしょう。いわゆる、物流と情報、富の流れを保証しました。そのインフラを使ってマルコ・ポーロがアジアに到達でき、「黄金の国ジパング」が知られるようなったのもそのおかげといえるでしょう。

今回は、モンゴルと金について触れてみました。

(注1)日本経済新聞電子版2018年1月25日「ハウステンボス 電子通貨 金で信用保証 モンゴルで鉱山取得へ」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26097320U8A120C1LX0000/

(注2)「Gold mining map」
https://www.gold.org/about-gold/gold-supply/gold-mining/gold-mining-map