金を通じて発展が期待されるイスラム金融

2016年に、AAOIFI(イスラム金融機関会計監査機構)はWGC(World Gold Council)と協力して開発した「金におけるシャリーア基準」(シャリーア基準:イスラム教徒が守るべき日常の諸基準)を公表した。この基準は最近のイスラム金融における最も重要な発展のひとつであり、全世界のイスラム教徒の投資家たちに対し資産クラスとしての金のメリットをもたらすことになるだろう。テンプルトン・エマージング・マーケット・グループの執行会長であるマーク・モビウス氏は、なぜ今イスラム金融において金の時代が到来したかについて次のように説明している。

(以下、モビウス氏へのインタビュー)

イスラムの金融分野は過酷的な状況にもかかわらず、この十年間で大きな成長を遂げてきた。それでも、イノベーションへの機会はまだ多く残っていていると、世界中のイスラム教徒からイスラム金融に関心が寄せられていた。中でも金は、イスラム世界における重要な歴史的側面を与え特別な価値を持つ存在として注目されてきた。古代から金は積極的に採掘されていて、金の硬貨も中東全域で鋳造されてきた。金貨の一種である「金ディナール」に関しては、数百年の間取引の基準として使われた。また、イスラム美術で使われてきた金も特別なものとされていて、金が使われたカリグラーフィー作品は多くの人々からを長年愛されてきた。

イスラムの金融分野は過酷的な状況にもかかわらず、この十年間で大きな成長を遂げてきた。それでも、イノベーションへの機会はまだ多く残っていていると、世界中のイスラム教徒からイスラム金融に関心が寄せられていた。中でも金は、イスラム世界における重要な歴史的側面を与え特別な価値を持つ存在として注目されてきた。古代から金は積極的に採掘されていて、金の硬貨も中東全域で鋳造されてきた。金貨の一種である「金ディナール」に関しては、数百年の間取引の基準として使われた。また、イスラム美術で使われてきた金も特別なものとされていて、金が使われたカリグラーフィー作品は多くの人々からを長年愛されてきた。

現代への階段的な変化

今までの内容を踏まえると、WGCとAAOIFIが協力してシャリーア基準を策定したことは大きな進展である。この新しい基準は、現代における「シャリーア金融」とって画期的な出来事の土台となるものである。

最も期待できる成果は、イスラム教徒だけでなく他の宗教徒にもアピールできる金融商品群が出されるということである。金が持つ希少性と耐久性からくる独自性、比類のない特徴によって、数千年の歴史の中で金はすべての文明にとって最も優れた価値の保存手段であった。このような安定性・安全性への評価から、特に最近の金融市場おいて経験された変動率が高い時代の中で、世界の多くの投資家たちの「避難所」の役割を果たしてきた。

金市場の動きは、卓越した多様性を持つ他の資産クラスの投資手段とは大きく異なっている。金はまた、株式より変動性が低く、信用リスクも伴わない。

富の保全

金が持つ最も重要な特徴はおそらくその流動性にあるだろう。金は世界中で取引されていて、売り手と買い手の市場も大きな規模で見受けられる。さらに、シャリーア基準や他の金融における金の運用についての最も重要な論点は、富の長期保全となりうる点が示されたという事実である。

紙幣が発行された以降に関するある研究では、不換貨幣の中でその価値を長く維持したものはないという結果が示された。長い間、金は、各国政府による無責任な紙幣発行に対する防波堤を投資家たちに提供してきたのである。生涯に渡って通貨を研究してきた著名な専門家であるフランツ・ピックはかつて、"金を買ってそれに座るのだ。それが成功の鍵なのだ"と述べたことがある。イスラム金融における金を投資手段とする時代がやってきたのだ。

出所:Gold Investor, World Gold Council , 2017 February
http://www.gold.org/research/gold-investor/gold-investor-february-2017