金のポートフォリオをどう設定するか

1.投資方法とポートフォリオについて

みなさんはご自分の投資方法を確立されていらっしゃいますか?筆者も投資やIRなどのセミナー業務にかかわったことがあることから、お客様からいろいろな投資方法を聞かせていただく機会がありました。

たとえば、「私は財閥系の企業の株式しか買わない」とか、「○○先生(評論家の先生など)の推奨銘柄を常にチェックしています」とか、あるいは「友人が株式で大成功したのでそのひとの推奨する情報源を参考にしています」とか。投資についてはこれが正解というものがないために皆さん手さぐりで方法を確立したり、ポートフォリオを考えたりされているのというのが実情ではないでしょうか。そのため、いろいろな投資方法に関する本がその時々に流行するのも当然かと思います。

今回は、そうした投資方法の中における金をめぐる投資、ポートフォリオについて少し触れてみたいと思います。

2.金に投資するということ

金は、信用リスクがなく、金利もつかないということは広く認識されている事実と思います。また、以前のコラムで触れたように「有事の金」という側面も持っていることも周知の事実でしょう。地政学的リスクが地球上のどこかで発生するとリスク回避のために買われるという一面もあります。また株式が下落すると金が買われる、という側面もあります。株式、債券、預貯金、金、その他の資産の間で選択がなされて、投資家はその状況に応じて配分を見直してきたといえるでしょう。その中で、信用リスクのない金はしっかりとした位置を占めてきました。

資産三分法、資産四分法という言葉があります。そのわけかたはいろいろあるようですが、金は信用リスクのない、質実剛健な資産としての位置を築いているともいえます。現在の動きの激しい金融業界の状況をみると次のようなこともいえるのではないかと思います。株式、債券、預貯金、不動産、その他のポートフォリオをうまく組み合わせ、それと金購入を組み合わせる。

た最先端のポートフォリオも考慮すると「ビットコイン」などを入れることを含めて、その「組み合わせ」を考える必要があるだろう、ということです。いわば自分なりの四分法、五分法、あるいは六分法を考えることができる、ともいえると思います。

図 ポートフォリオ形成のイメージ図【SBIゴールド作成】

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3.金にどれほどの割合で投資すべきか?

金にどれほどの割合投資するか?この問題は、おそらく永遠のテーマなのかもかもしれません。金には、5%から10%投資すべき、中央銀行による金の運用比率10%前後がひとつの目安であるなどいろいろな見方があるようです。2で述べた考え方に基づいて、こうした比率を参考にするのも一つの考え方です。(注1)

運用資産が潤沢にあるかたは現物の買付をし、いざというときに備えるのもよいでしょうし、たとえば老後資金を貯めるために、ドルコスト平均法(注2)に基づいて長期の積み立てを考えるという運用もあるでしょう。この点は、年齢や投資スタイルによってもポートフォリオのカスタマイズ要因はあると考えることもできると思います。

最後に一つ言えることは、こうしたポートフォリオを検討することで金融リテラシーを高める中で、ご自分に合ったポートフォリオを検討していくことが重要と考えられます。

(注1) ワールドゴールドカウンシル「日本の投資家にとっての金の最適保有比率」(2012年7月発行)の分析(おもに機関投資家を視野に入れたもの)によれば、2%から10%の組み入れという視点を示しています。

(注2) ドルコスト平均法に関しては、以下のものが参考になります。 星野泰平著『ドルコスト平均法は平均買付単価が下がる方法ではありません』一般社団法人ドルコスト平均法協会 2016年10月発行。
その他のドルコスト平均法に関連する参考文献としては、朝倉智也著『ものぐさ投資術』(PHPビジネス新書)PHP研究所。2016年5月発行