フィンテックの力を使って金投資を促進

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Royal Mint(英国王立造幣局)は、1000年以上も前に設立された、国外展開を行っている世界有数の造幣局です。現在は、金融派生商品取引で有名なシカゴ先物取引所(CME)グループと協力し、最先端技術であるブロックチェーンの電子取引メカニズムと金地金の特質を組み合わせた金投資商品、RMG(ロイヤルミントゴールド。以下RMG)を開発しています。

紀元前550年には、金は富の交換及び蓄積における信頼できる手段として認識されるようになりました。変化する数世紀の歴史の中でよりどころとなってきた金は、今日の国際通貨制度においても重要な役割を担っています。金の役割は硬貨や紙幣による取引の実用性にとってかわられたとはいえ、それでも多くの通貨は金本位制の下では金価格が固定され、取引における信用、信頼、安全性を保証していました。
変化の激しい外国為替市場における為替取引と、コモディティに裏付けられていない不換紙幣の世界においては、人々は今でも金に実質的な投資の機会があると感じています。

金は容易に取引できて、価値の評価や保管も容易です。重要なのは、完全代替可能であるため、特定の金1オンスは同質の他の金1オンスと交換可能です。しかし、金地金の保有や投資には限界もあります。金は重量が重いため運送や大量保管が困難です。そのため金地金取引は特定の場所に限られています。そして実際の取引において、金は他の通貨やコモディティのように小さな単位の取引量を分けることが容易ではありません。例えば、金地金の取引は、単一投資単位で行われるのが普通です。

しかし今日、フィンテックの発展は、ブロックチェーンを使い、金投資を容易にする重要な機会を作り出しました。

多くの議論では、ブロックチェーンは基本的に分散型台帳であり、ブロックチェーンネットワーク内の認められた参加者によって管理されています。

従来型の台帳では、データは一つのデータベース上に記録され、1つの中央機関によって認証・保護されてきました。このひとつの中央機関が、データの安全性および完全性の管理責任を有していました。そのため取引における決済速度が制限されたり、追加の手数料が発生したりする場合もありました。

一方、分散型台帳は、ブロークチェーンにデータが保存される順序及び暗号を使って保証されうるデータの整合性といった点からは、本質的に不変で、改ざん防止措置が施されています。その暗号は、記録された全ての取引がシステムのルールに従っているという反駁(はんばく)できない証明を行う数式で成り立っています。台帳はまた、継続的に更新されるため、メンテナンスのため停止することは決してなく、1年365日昼夜と問わず台帳にアクセスできます。

今までブロックチェーンは、その技術を使った初の暗号通貨であるビットコインと同義とされてきました。当初、オンライン決済における電子貨幣として開発されたビットコインでしたが、誕生後の約8年間あまりで、いくつか環境変化を経て、広範囲な価格流動性を作り出し、次第に広義の目的で利用されるようになってきました。
しかし、同じ期間、金は比較的に安定していました。金も歴史的に公正価格の高値と安値はありましたが、ビットコインに比べるとその振れ幅は穏やかなものでした。

RMGは金が本来持つ投資商品としての魅力にブロックチェーンによる便益を組み合わせた商品です。英国王立造幣局とCMEグループが協力して考案したものです。
RMGは、価格の透明性、リアルタイムでの価格表示、証券取引所における上場による取引を通じた安全性をもち、安全かつ費用対効果のよい金の投資商品になります。

そのため、RMGは従来の金取引とブロックチェーンに関する多くの課題に取り組んできました。

1つのRMGは、1gの金地金の完全な所有権を表していて、LBMA(ロンドン貴金属市場協会)公認のグッド・デリバリー・バーという金地金が、安全性の高い英国王立造幣局の保管施設に保管される形をとります。LBMAグッド・デリバリー・バーの利用には金の基本的な互換性が保証されているため、RMG保有者たちはそれぞれのRMGを1g(0.0321507オンス)の純金(純度99.9%。いわゆる999.9で表示されるフォーナイン)に交換できます。

価格が少数点以下の6桁まで表示されるRMGは、デジタル取引プラットフォーム上でも取引されるようになり、電子財布(デジタルウォレット)を通じてある口座から他の口座に移すこともできるようになります。そのため金地金の輸送に関する心配なくRMGを国際的に取引することが可能です。

CMEグループによる取引プラットフォーム上でのRMGデリバリーは、安全性の高い取引を可能にします。電子上の金の取引、売買には永久的かつ不変的な記録が付随し会計上のエラーや詐欺および関連費用による影響を受けません。

また、持続的な年間管理報酬や保管費用がかからず、金の購入、保有、売買のためより早い、費用対効果がよい、より安全な方法で、顧客需要を満たすことが出来ると言えます。

今後、英国王立造幣局としては、世界をリードする造幣局、世界クラスの先物取引プラットフォームと最高水準の技術との画期的パートナーシップを通じて、RMGが投資家たちに独自で、革新的で、信用度の高い金投資方法を提供できるようになると確信しています。 いつの日か、RMGがデジタル金の基準になることを希望しています。

【出所】Gold Investor, World Gold Council , June 2017, p.7-p.9

http://www.gold.org/research/gold-investor/gold-investor-june-2017