金は米消費者物価指数などを確認

【金はドル安が一服すると上値を抑える要因】

1月1日週のニューヨーク金市場は、2月限がドル安を受けて堅調となり、2017年9月18日の高値1,327.3ドルに顔合わせした。米国債の利回り上昇が一服したことや、好調なユーロ圏の経済指標を受けてユーロ主導でドル安に振れた。ただ12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が14万8,000人増と事前予想の19万人増を下回ったが、平均時給が前月比0.3%増加したことを受けてドル安が一服した。今週は12日に12月の米消費者物価指数(CPI)の発表があり、インフレが示されると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測からドル高に振れ、金の圧迫要因になる可能性が出てくる。事前予想は前月比0.2%上昇、前年同月比2.1%上昇となっている。ブラード米セントルイス地区連銀総裁は、昨年12月に成立した税制改革法が成長や投資への追い風となる公算が大きく、すでに株価を押し上げているとの見解を示したが、経済の基調的な成長ペースが加速し、生産性が向上し、インフレ率や世界の金利が上昇するまでは、政策金利を据え置くべきとの持論を維持する、と述べており、他の経済指標も確認したい。一方、米紙ワシントン・ポストによると、2016年の米大統領選へのロシア介入疑惑を巡る捜査の一環で、トランプ大統領は数週間以内に聴取を受ける可能性があるという。トランプ大統領は6日、ロシア疑惑について「共謀はなかった。犯罪とは無関係だ」と記者団に述べ、モラー氏の捜査チームの聴取に前向きな姿勢を明らかにしているが、先行き懸念が残ると、金の下支え要因になりそうだ。また市場では減税で財政赤字が拡大するとの見方も金の下支え要因になるとみられている。

韓国と北朝鮮は9日午前10時から、南北軍事境界線上の板門店で、2年1カ月ぶりとなる南北当局間会談を開く。2月の平昌オリンピックについて協議する。米国は北朝鮮が非核化に応じなければ対話しないとしていたが、トランプ米大統領は6日、記者団との会見で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と対話することに抵抗はないと話しており、今後の対話につながるかどうかが焦点になりそうだ。

前週の中国の金プレミアムは6~7ドルとなり、前々週の10ドル前後から下落した。1月は旧正月を控えて需要が好調となる時期だが、金価格が3カ月半ぶりの高値を付けるなか、買いが見送られた。またインドでは再開2ドルのディスカウントとなり、同2ドルのプレミアムから下落した。中国同様、実需筋が高値での買いを見送った。当面は実需筋の買い意欲がどの水準で強まるかを確認したい。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月2日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万3,268枚となり、前週の13万5,948枚から拡大した。今回は新規買いが3万8,838枚、新規売りが1万1,518枚出るなか、買い越しを2万7,320枚拡大した。一方、1月8日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は12月29日比2.64トン減の838.86トンとなった。1,300ドル台の戻り場面で投資資金が流出した。

【プラチナは買い戻し主導の上昇】

ニューヨーク・プラチナ4月限は、ドル安や金上昇などを受けて堅調となり、2017年9月15日以来の高値979.2ドルを付けた。パラジウムの高値更新が続いていることも支援要因である。ただニューヨーク・プラチナの大口投機家の取組高減少と指定倉庫在庫の減少で買い戻し主導の上昇となっている。今年は供給不足が予想されていることが支援要因だが、投資資金の流入がなければ上値は限られそうだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月2日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万7,415枚となり、前週の1万6,313枚から拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、8日のロンドンで12.41トン(12月29日12.65トン)、5日のニューヨークで18.97トン(同18.98トン)に減少、南アで24.36トン(同24.36トン)と横ばいとなった。

【NY原油は高値更新が続く】

ニューヨーク原油は、ドル安や需給の均衡化期待を受けて堅調となり、2015年5月以来の高値62.21ドルを付けた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した1月5日までの週間石油統計で、原油在庫は前週比741万9,000バレル減少し、7週連続で減少した。冬場の需要期に入り、需要が増加していることも支援要因である。一方、米油田サービス会社ベーカー・ヒューズから発表された1月5日までの週の米石油リグ稼動数は前週比5基減の742基となった。ただ価格上昇で今後はリグ稼働数の増加が懸念されており、上値を抑える要因である。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月2日時点のニューヨーク原油の大口投機家の買い越しは62万4,213枚となり、前週の63万2,161枚から縮小した。手じまい売りが買い戻しを上回った。一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されている原油ETF(コード:USO)の残高は8日時点で1億6,070万株となり、12月29日比900万株減少した。

【1月8日からの週の注目ポイント】

9日 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演 ☆☆
10日 米卸売在庫(11月) ☆☆
エバンス・シカゴ連銀総裁講演 ☆☆
11日 米生産者物価指数(PPI)(12月) ☆☆☆
米新規失業保険申請件数(12月31日の週)
ダドリーNY連銀総裁講演 ☆☆
12日 日本国際収支(11月)
中国貿易収支(12月)
米消費者物価指数(CPI)(12月) ☆☆☆
米小売売上高(12月) ☆☆☆
バイトマン独連銀総裁講演 ☆☆
ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演 ☆☆

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ニューヨーク金は3カ月半ぶりの高値
ニューヨーク金2月限はドル安を受けて堅調となり、2017年9月18日の高値1,327.3ドルに顔合わせした。好調なユーロ圏の経済指標を受けてドル安に振れた。ただRSIが買われ過ぎの水準に入るなか、米雇用統計で平均時給の増加が示され、ドル安が一服した。実需筋が高値での買いを見送っており、ファンド筋が利食い売りに動くと調整局面が警戒される。今週は12日に発表される12月の米消費者物価指数を確認したい。

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2018年1月9日

提供:ALL先物比較