金はドル安一服なら戻り売り圧力

【金は米雇用統計などを確認】

年末年始のニューヨーク金市場は、2月限がドル安を受けて堅調となり、2017年9月18日以来の高値1,323.0ドルを付けた。年末年始でドルの手じまい売りが続いたことや、好調なユーロ圏の経済指標を受けてユーロ高に振れたことから、ドル安が進んだ。ただ米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でタカ派の見方が出ており、当面はドル安が一服するかどうかが焦点である。米FOMC議事録では、財政刺激策や緩和的な金融市場の状況が成長をどの程度押し上げ一段と大幅な利上げが必要となるかが討議され、多くのメンバーは所得税減税案が消費支出押し上げにつながると予想した。米FOMC議事録を受けてCMEフェドウォッチの3月末の利上げ確率が68%から約70%に上昇した。ただ低インフレが続くことに対する懸念も示されており、利上げが進むかどうかは今後発表される経済指標次第である。今週は5日に発表される12月の米雇用統計が焦点である。事前予想は非農業部門雇用者数が18万8,000人増、失業率が4.1%(前月4.1%)。平均時給は前月比0.3%上昇と11月の0.2%上昇から上昇幅が拡大すると予想されており、インフレにつながるとの見方が出ると、ドル高要因となる。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は1日、「新年の辞」を発表し、韓国との「対話に柔軟」と表明した。韓国は9日に板門店で高官級会談を提案し、北朝鮮は3日、板門店の南北直通電話回線を再開した。2月の平昌オリンピックを控えて協議を進める見通しとなった。一方、北朝鮮の核開発問題に関しては、同委員長が「核のボタンが私の机上に常に置かれている」と述べたことに対し、トランプ米大統領は2日、ツイッターに「俺も核爆弾を持っているが、やつのよりもでかくて強力だ。それに俺のボタンはちゃんと作動する!」と書き込んだ。米国は北朝鮮が核兵器を放棄しないかぎり、対話することはないとしている。当面は韓国との協議の行方を確認したい。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月26日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは13万5,948枚となり、前週の11万3,795枚から拡大した。今回は新規買いが5,117枚、買い戻しが1万7,036枚入るなか、買い越しを2万2,153枚拡大した。一方、1月3日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.18トン減の836.32トンとなった。1,300ドル台の戻り場面で投資資金が流出した。

【プラチナは3カ月半ぶりの高値】

ニューヨーク・プラチナ4月限は、ドル安や金上昇などを受けて堅調となり、2017年9月19日以来の高値965.9ドルを付けた。パラジウムの高値更新が続いていることも支援要因である。ただ2017年の米新車販売が1,723万台と過去最高となった2016年の1,755万台から減少した。米ゼネラル・モーターズ(GM)は2018年は1,700万台を下回ると予想しており、自動車触媒需要が伸び悩むと、プラチナ・パラジウムの上値が抑えられるとみられる。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月26日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万6,313枚となり、前週の1万2,840枚から拡大した。新規買い・買い戻しが入った。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、3日のロンドンで12.42トン(12月22日12.44トン)、ニューヨークで18.97トン(同18.98トン)に減少、12月29日の南アで24.36トン(同24.24トン)に増加した。

【NY原油は2015年6月以来の高値】

ニューヨーク原油は、ドル安や需給の均衡化期待を受けて堅調となり、2015年6月以来の高値61.81ドルを付けた。またイランの反政府デモも強材料視された。同国の原油生産に影響が出るかどうかも焦点である。米エネルギー情報局(EIA)が発表した12月22日までの週間石油統計で、原油在庫は前週比460万9,000バレル減少し、6週連続で減少した。米原油生産量は日量975万4,000バレルと過去最高となった前週の978万9,000バレルから減少した。米油田サービス会社ベーカー・ヒューズから発表された12月29日までの週の米石油リグ稼動数は前週比変わらずの747基となった。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月26日時点のニューヨーク原油の大口投機家の買い越しは63万2,161枚となり、前週の60万1,839枚から拡大し、過去最高を更新した。新規買い・買い戻しが入った。一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されている原油ETF(コード:USO)の残高は3日時点で1億7,170万株となり、12月22日比630万株減少した。一段高となるなか、利食い売りが出た。

【1月1日からの週の注目ポイント】

4日 米ADP雇用者数(12月) ☆☆
米新規失業保険申請件数(30日までの週)
5日 ユーロ圏消費者物価指数・速報値(12月) ☆☆
米非農業部門雇用者数(12月) ☆☆☆
米ISM非製造業景況指数(12月) ☆☆
セントルイス連銀総裁講演 ☆☆
フィラデルフィア連銀総裁講演 ☆☆
クリーブランド連銀総裁講演 ☆☆

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ニューヨーク金は1,300ドル台回復もRSIが買われ過ぎの水準
ニューヨーク金2月限はドル安を受けて堅調となり、2017年9月18日以来の高値1,323.0ドルを付けた。ただRSIが72.19と買われ過ぎの水準に入っており、ドル安が一服すると、利食い売り主導の調整局面が警戒される。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でタカ派の見方が示されており、ドル高に転じるかどうかが当面の焦点である。

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2018年1月4日

提供:ALL先物比較